ロンドンオリンピックが終了した直後くらいから、急に忙しくなり、気が付くともう早くも11月に入っていました。。。
オリンピックで湧いた街も、今では通常の落ち着きを取り戻しています。最近では、日増しに寒くなっていく中、ところどころにクリスマスのデコレーションが現れはじめ、本格的な冬に向けてロンドンの街は段々と賑やかさを取り戻しつつあるように思います。

毎年、この時期に、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーでは、「フォトグラフィック・ポートレイト・プライズ」というエキシビション(写真展)が開かれます。
ナショナル・ポートレイト・ギャラリーは、1856年にオープンした世界で最初のポートレイト(肖像)専門の美術館で、ロンドンを代表する美術館のひとつです。ここでは、ポートレイトというテーマのもと、絵画、写真、イラスト、彫刻など、あらゆる形態のポートレイトが展示されていて、その対象は、歴史上の人物から近年活躍している著名人まで多岐に渡ります。

この由緒ある美術館で開かれる「フォトグラフィック・ポートレイト・プライズ」は、毎冬、ロンドンっ子が楽しみにしているエキシビションのひとつになっています。「プライズ(賞)」と名のつく通り、公募によって集められた作品の中から、「賞」が選はれる形式でエキシビションが開かれます。2012年度は、世界各国のプロ・アマチュア・学生を含む2,350人を超えるフォトグラファーからの応募があり、提出された写真数は約5,340点にものぼったそうです。審査の結果、1位~4位の賞を含めた60点の優秀作品がナショナル・ポートレイト・ギャラリーに展示されています。

私も、このエキシビションを楽しみにしている者のひとりです。ポートレイトというある意味、古典的な題材ですが、そのテーマをもとに、各々のフォトグラファーが様々な趣向を凝らし、作品を表現していることが感じとれます。毎年、このエキシビションを観る度に、写真の奥深さを知るようで新鮮な思いです。

賞へのエントリーは、18歳以上であれば、基本的に誰でもできるそうで、特に職業やキャリアなどは関係ありません。題材は「コンテンポラリー・ポートレイト」で、対象となる写真は、応募する年度の1年前以内に撮影されたものである必要があります。気になる賞金額は、2012年度については、1位(ファースト・プライズ)は12,000ポンド(約150万円)でした。

通常、5月にエントリーがはじまり、7月に作品を提出。審査は8月に行われ、待ちに待った発表と展示は11月です。
腕に自信がある方、賞金が気になる方は、是非、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
かくいう私も密かに来年のエントリーを狙っていたりします。賞金をもらったら、何に使おうかなぁと、あれこれ考えながら秋の夜長を過ごしている今日この頃です。(気が早い!?)

2012年度のエキシビションは、翌年2013年2月17日まで開催予定です。(エキシビションの入場料は大人2ポンドです)
「フォトグラフィック・ポートレイト・プライズ」のエントリーのお知らせは、随時、ウェブサイトで情報が更新されますので、ご確認ください。

Taylor Wessing Photographic Portrait Prize
www.npg.org.uk/photoprize1/site12/

National Portrait Gallery
St Martin's Place
London WC2H 0HE
Tel. +44 (0)20 7306 0055
www.npg.org.uk


1st Prize : Margarita Teichroeb by Jordi Ruiz Cirera © Jordi Ruiz Cirera


2nd Prize : Lynne, Brighton by Jennifer Pattison © Jennifer Pattison


3rd Prize : Mark Rylance by Spencer Murphy © Spencer Murphy


4th Prize : The Ventriloquist by Alma Haser © Alma Haser