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作品詳細

飽和

市川健太

飽和/市川健太

作家プロフィール

市川健太

市川健太

1975年 東京生まれ。
桑沢デザイン研究所卒。
スタジオ勤務を経て、広告、雑誌で活動。
第52回ポスターカタログ展 グラフィックアート部門 銀賞受賞
APA「写真作品部門」入選
ADC賞、JAGDA 入選

Kenta Ichikawa

作品仕様

作品名飽和
作家名市川健太
エディションOpen Edition
サインあり
技法ピエゾグラフ
作品本体サイズA4
お届け期間3週間以内
品番KI059-12000384
作品本体価格49,800円(税別)
額装込み59,800円(税別)

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日本画的な要素とヨーロピアンの融和。 主張し過ぎない写真は、本人の人柄と重なる。 写真と絵画の中間のようなやさしい写真は 日常のストレスを癒しに変えてくれる。  - 市川健太

抽象的でやわらかい作品は絵画のよう。
光を意識させず抽象的な被写体で
作品を撮り続ける市川さんに
インテリアフォトとしてのこだわりを聞いた。

最初にこのシリーズを制作したきっかけから教えてください。
作品制作を始めたのは、6~7年前からです。きっかけは日常生活のふとしたことでした。
ほんとに些細なことなんですけど(笑)、カーテンがあるじゃないですか。その奥に花瓶が置いてあって、透過した光で花瓶が透けて見えたんですね。それで「あっ、これキレイだな」って、思ったんです。
ただ花瓶とか、市販されている一般的なものだと、造形が具体的過ぎて面白くないなと。それでアクリル製作の業者に、三角柱や四角柱などを様々な色と形のオブジェを作ってもらい、色々な形やサイズを重ね合わせたり、一方の中に入れたりすることで、不思議な感じが出るように構成しています。

写真を見せるというよりは、「ライティングをしている」、「光をあてている」事自体を意識させないで、絵画的な表現を目指しています。
やわらかなモノトーンの感じは、日本画的な要素も取り入れていますし、ただ写っているアクリル等はヨーロピアンな感じ。例えばバウハウスとか、あの色調の感覚を意識しています。そういう意味では、和と洋を掛け合わせた作品と言った方がいいかも知れません。
アクリルの手前には何をかけているのですか。
これは実はロールカーテンに使う素材です。布や、紙、乳半アクリル等、色々試しましたが、これが一番しっくりきたと言うか、この透け感が気に入っています。
あと、ここまで生地の目が出てない作品には、アートレを使っています。
花などの具体的な被写体は置かないのですか。
このシリーズは、全て後ろから光をあてた透過光で撮っています。そのため、アクリルなどの光を透過する素材でないと上手く撮れないんです。花などはシルエットになるので、スミっぽくなってしまい、あまり美しくないんですね。
今は、このアクリルのパターンを組み合わせて制作するのが主流なんですね。
そうですね。ある方に「市川さんの作品は、イタリア画家のモランディに似ている」と言われました。こちらは写真ですが、その人のタッチとか光の捉え方に似ていると。
モランディは、自分の身近なところ、アトリエや家の中など、近くの物を題材に絵を描き続けて生涯を終えた方です。その描くスタンスは、自分が作品を作っている時のスタンスと似ている気がしました。
強く主張するのではなく、静かに佇んでいる感じでしょうか。
そうなんです。モランディの絵をインテリアとして飾っていらっしゃる方がいるように、自分の作品もあまり主張していないところが逆に「味」だと思いますので、長く、じっくり観て頂けたら嬉しいですね。
ピクトラン(ペーパー)に出力さした作品は、絵画のようですね。
無光沢のペーパーに出力するので、ツルツルの写真ではないです。でももちろん絵でもない。中間的な立ち位置かもしれません。
「絵で描けば」という方もいらっしゃいますが(笑)、このボケ味とか、微妙に感じる光のニュアンスは、写真じゃないと表現できないものだと思います。このシリーズに関してはレタッチもしませんし、「一発撮り」です。そこはあくまでも「写真」にこだわっていきたいですね。