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作品詳細

無題

岩崎美里

無題/岩崎美里

作家プロフィール

岩崎美里

岩崎美里

1978年神奈川県生まれ。
イイノスタジオを経て、泊昭雄氏に師事。
2007年独立。
2009年写真集「あじさいとこころ」(プランクトン)出版。
広告、TVCF、雑誌、書籍などで活動中。
http://www.iwasakimisato.jp

Misato Iwasaki

Photographer
Born 1978 in Kanagawa Prefecture.
Worked at Iino Studio. Studied under photographer Mr. Akio Tomari
2007 Became independent as a freelance photographer
Publications include “Hydrangea and Mind” (PLANCTON, 2009).
She now photographs mainly for various advertisements,
TVCF, magazines, and books.
http://www.iwasakimisato.jp

作品仕様

作品名無題
作家名岩崎美里
エディションOpen Edition
サインあり
技法タイプCプリント
作品本体サイズA4
お届け期間3週間以内
品番MI008-11000080
作品本体価格49,800円(税別)
額装込み59,800円(税別)

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写真がその人を映し出す鏡なら、 岩崎美里の視点は一見するとナチュラル。 心地よさの中でずっと見つめていると、 長い睡眠から覚醒するようにふと目が覚める。 その時はじめて、 岩崎ワールドに引き込まれていることに気づく。 - 岩崎美里

自然の中で共生している植物や花が好き。
時間があればイメージの中の原風景を求め、
撮影に出かけるという岩崎さんに、作品制作への思いを聞いた。

岩崎さんはイイノ広尾スタジオでスタジオスタッフとして仕事をされています。
レンタルスタジオに入るきっかけを教えて下さい。
私は写真学校を卒業したわけではなく、スタジオに入るまで写真の知識はあまりありませんでした。ただぼんやりとですが、「写真の仕事をしたい」と思っていた時に、知り合いのフォトグラファーに「レンタルスタジオで経験を積んだ方がいいんじゃない?」と言われたんです。それで幾つかのスタジオにアプローチした中にイイノも入っていました。「ファッションに強いからイイノに」という理由ではなく(笑)、まずライティングの知識やプロのフォトグラファーがどのように撮影をされているのかを学ぶことが理由でした。約3年半、イイノに在籍しました。
その後、泊昭雄さんに師事されていますね。
はい。泊さんが制作されていらっしゃる作品が好きで、以前から写真はよく見ていました。きっかけは私がイイノにいる頃、偶然にも泊さんが撮影に来られたんです。泊さんはあまり白ホリ系のスタジオでは撮影されない印象があったので、ラッキーでした。そこで初めてお会いして、その後改めてお話を伺いに行き、アシスタントに就かせて頂きました。
泊さんはネガフィルムで撮影、銀塩プリントで納品、というスタイルですね。困りませんでしたか?
私がイイノでスタジオスタッフとして働いていた頃は、デジタルカメラの撮影も増えていましたが、まだフィルムで撮影されている方も結構いらっしゃいました。そのため泊さんについた時も、フィルムの扱いで困ることはなかったです。
泊さんが撮影したネガは、アシスタントが焼かせていただくのですが、その際も言葉でプリントの細かい指示をされるのではなく、泊さんの表現したいトーンを"感じ取る"と言った作業でした。
泊さんの描く、最終のプリントに近づけるために、撮影時から、自分でもイメージをする作業を、何度もさせていただきました。近づけるのは大変でしたが、そのおかげで、暗室でのプリントワーク、フィルターワークはかなり経験を積むことができました。泊さんの事務所にいた1年半の経験が、今の自分の撮影スタイルを形成するベースになっていると、改めて感じています。
誰かに師事をした場合、卒業しても師匠のトーンやスタイルに似てしまうという経験はよくあります。
岩崎さんはどのように自分のスタイルを見出したのですか。
ものの見え方や捉え方を、泊さんのところで勉強させていただきました。自分の好きなトーンはアシスタントをしている頃からありましたが、本当の意味では、独立してから自分の撮影スタイルや、プリントスタイルとして、出来上がってきているなと感じます。
もともと植物や花は好きだったのですか。
そうです。花は毎年変わらず咲くし、植物もどこにでもあるじゃないですか。そういうことに安心するし、惹かれるんです。自宅で育てるということではなく、自然な形で生えているもの、という意味で。撮影場所は近場もありますし、旅や仕事等で自分が出かけた先では必ず撮りますね。
道端に咲いている花をふと撮ったりもするのですが、このWebサイトに掲載するために選んだ写真を見返すと、撮ろうと意識して撮りに行った写真しかないですね。桜が咲けば春を感じるように、その季節ごとに咲く花や、その季節に成長する植物を見たら撮りたくなります。
作品はほぼ100%自然光で撮られていますね。
自然に植物が共生しているのが好きなんですね。ライティングをしても撮れますが(笑)、自分の作品撮りに於いてはロケが中心。これはブレなくていいのではと思っています。だから天気や光の位置、強さは気になります。天気予報を見るのが大好きですから(笑)。
植物にしても花にしても、目で見ている時はもっと濃度がありますが、私の場合、撮影している段階で「こんな風にしたい」というイメージがあるので、仕上がりのトーンに近いものを頭に浮かべて撮っていることが多いです。
暗室では彩度や色のトーンなど、目指す方向がある程度見えている中での作業なので、方向性の違いで悩むことはあまりないです。
初期の作品の方がディテールに寄っていて、植物そのものをクローズアップされていますよね。
最初に撮り始めた頃(作品001~005)は、割と植物の形だったり、色だったり、植物そのものに惹かれて撮っていることが多かったですね。
最近のもの(作品006~010)は、「植物のある風景」というか、回りの気温や湿度だったり、川の流れや風の音などが聞こえてくるような「空気感」を感じるものを撮る方向に変化してきました。仕事で人を撮ることが増えたことも影響しているかも知れません。「自分だけの思いで撮る」というよりも、「まわりとの関係性の中での存在する意味」を意識するようになりました。
撮影場所はどうやって決めていますか。お気に入りの場所があるのでしょうか。
調べることもあります。今まで生きてきた中で、過去に見た記憶のある写真や映像で、頭に残っている風景があったら、そのイメージに近い場所を探します。それを調べて現地に行ってみたら全然違った、ということもあります(笑)。
私の場合は、どんどん新しい場所を探して撮るタイプです。以前に訪ねた場所、一度撮影した場所に何度も通うことはあまりありません。同じ場所に撮りに行ったこともあるのですが、前に撮った写真が頭に浮かんで「もうそれでいいじゃないか」と、思ってしまうんです。同じ状況は二度とないのですが、私の中では以前撮ったものが良ければそれを超えられないというか、再撮っぽく感じてしまう。
常に新しい出合いを求め、色々な場所へ出かけるのが好き。歩くのが大好きなんです。新しいものに出合えるなら果てもなく歩けますよ(笑)。
じっくり長く見ていると、自分がこの景色の中に吸い込まれるような不思議な吸引力があります。
写真を飾って、長く鑑賞して頂くことを考えた時、写真自体が主張して強いインパクトを与えるというものよりは、季節やその時の心の状態によって、写真を観た時の印象が変わっていくような、買って頂いた方の人生に寄り添っていけたらと思っています。

註)販売するプリントは六ツ切サイズの価格ですが、取材時に持ってきて頂いた大四ツ切(11×14inch/279×355 mm)
くらいあると迫力があります。そちらのご要望があれば承りますので、リクエストをお待ちしています。