キーワードは「リアル」。

April 02, 2013

伊島薫写真展「You are beautiful」と、玉川竜写真展「absolutely anonymous by Ryu Tamagawa」。先週この2つの展覧会を観た。

伊島さんの「You are beautiful」は、8000万画素の超高解像度デジタルバックIQ180で裸体を分割撮影。それを縦位置で繋げ、2.40m x 9.36mという巨大サイズの作品として展示。雑誌サイズや20〜30インチのPCモニタでは表現できない巨大かつ高精細な写真に圧倒された。


設営中のスナップ(伊島さんFacebookより)
  
  
玉川さんの作品は、全て一発撮り。モデルのポージングはある程度、演出していると思われるが、ロケでの光のあたる時間、場所、角度。モデルが吐き出す予測不可能なタバコの煙の形...。
伊島さんも玉川さんも沢山カットは撮っているかもしれないが、共通しているのは一発撮りという点。


(玉川さん展覧会作品から)                                          
     
伊島さんの写真も、圧倒されたのは単に大きいからではなく、瞳の奥の写り込み、吹き出物、脇のヘア、整っていない足の親指の爪...、ありのままの「リアルな体」だからだった。これがレタッチされた写真なら、「大きく伸ばされたキレイな写真」というだけで、それほど印象に残らなかったと思う。

現在、世の中に出回っている広告、雑誌、アーティスト写真は、多かれ少なかれほとんどレタッチされている。制作者側も見る側も、「キレイに見える整った写真」を「普通」に受け入れている。

デジタルカメラやレタッチソフトの進化によって、誰でも簡単に写真が撮れ、修正や合成ができる時代。作品に関してのポイントは「シャッターに集中」した「ノーレタッチ」又は「やりすぎない修正」にとどめた写真だと思う。

「感じた瞬間を切り取る」という写真を撮る行為、本来の役割に原点回帰していくのではないか。私個人は、部分ごとに彩度やトーンが調整された整った風景写真や、ツルツルで質感のないポートレイトよりは、リアルフォトに惹かれる。

「デジタルカメラ+インクジェットプリンタ」VS「銀塩フィルム+印画紙」と言うツール的な軸ではなく、(気持ちの問題も含めて)「リアル」にこだわるのかどうかが、これからの作品制作のポイントだと思う。

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