新しい年の始まりはいつも清々しい。
昨年末はいつになく脱力に見舞われ、年頭なのですが昨年の纏めで完成した2冊の写真集の事を書きます。

構想は「under glass」が先にあり「テツオ」が突如起き上がった。2015年の年末に「テツオ」を再びのお話をいただき、2016年の夏を目指して制作。撮り溜めた写真を今一度再見。
そして撮影もさらに行い、慌ただしくもテツオの力に負けるものかとザクザクと撮影。

写真のセレクトやレイアウトに時間がかかりながらもザラ紙仕様にこだわり、DMにもそのテイストを踏襲。DMの足が本当に早かった。手にしておられる方々是非大切にしていただきたい!(笑)。



8月に写真集をお披露目で写真展。当然前作テツオとの比較の話は連日聞くことになる。二つのテツオの勝ち負けの話になってやや前作の方が優勢。まあ新しいものが好き! が信条の僕としては少し耳に痛いが「今回の人が写っていていいじゃない。永遠にあるテツオ、いなくなっちゃう人間その対比が面白い。素朴な撮り方も! それにしてもテツオの生命力すごいね!」印象に残った言葉は大切にしたい。

二つのテツオのその先に向かってひたすら歩くのみ。モノクロームのバライタ紙の質感を久々に、充分に体感。
季節も変わる頃、「under glass」の制作が佳境を迎えてテツオ写真展後に一日寝込み、温室の光や湿度に癒されたく制作に没頭。

紙のセレクトを慎重に進めながら今回はエアラスという種類を選択。名前が示すようにフワッとした空気を纏ったような風合い。色の再現性もさることながら手に触れた感覚も大切にセレクト。表紙の題箋仕様も初めての経験で本文にも登場する写真なので、色合いに最大限気を配りながら耐久性も加味して検討に次ぐ検討。伸びる納期...。

それでもなぜだか山あり谷ありの制作の楽しいこと! 様々な拘りと工夫による完成! DESIGN BOY手島領、大城亮太、松原沙希の三氏に改めて感謝を申し上げたい。



鉄塔を撮りながら、連れられて前に前に行先も知れぬままのひたすら歩くその快感。予想もしない光景との遭遇など、だんだん汗が吹き出てくる、ともかくも動いた作品で、スナップ写真のような撮り方でテツオとの時間を楽しんだ。

一方のunder glassはほぼ一日温室に篭りきりの時間から生まれた作品。暑がりの私は入室と同時に汗が流れて止まらなく、程なく汗がひきそして撮影をゆっくりと開始する。そして長々とじっくりと撮影を繰り返す。ガラス越しの光は柔らかく癖になる。まだまだこちらの作品も制作を継続中です。

在廊中多くの若者が声を掛けてくれて、仕事と作品の事についての質問を受けた。同時に両方を行っていることに興味があるようで異音同意にその差についてですが、僕はこう思うのです。

撮影の動機が他者にあるか自己にあるのかそれは大きく違います。しかしながら出会った被写体と時間と空間を共有して信頼関係を築き写真に仕上げることや、写真の記録をRECORDと言わずDOCUMENTとするのは、撮影者が目で見て対象を理解して味わった感動をできる限り正確に伝えようとする行為であることに何ら変わりませんし、また撮影者が自ら目撃し撮影したことに責任を持つこともまた同時に変わらないのだろうと。

新年早々、昨年を振り返りつつ、今年もまた溌溂と撮影を続けます。様々な形で自らの写真で社会と関わりながら!