この夏は随分と暑く、そしてまたあちこち人に光に誘われるままに出掛けた。
まずは札幌に、カメラの個人コレクターの方の所にお邪魔。札幌の爽やかなその気候はカメラの保存に本当に良いらしく、
幸せな保存を求めて全国からカメラが集結してくるとか。
蛍光灯下のカメラがオーナーの愛に守られて静かにたたずんでいる。丁寧に置かれているせいか冷たい感じがしない。
日本のカメラの歴史を一望する事が出来、満足。レボルビング式のレンズとテ匕ニカのカタログに特に反応。
静かな光の中で。


その翌週辺りに広島の家具のファクトリーにお邪魔。
こちらは家具を、その材料となる自然の光で銀化中の木材の上で撮影。気持ちのよい風がしばし夏の暑さを忘れさせてくれた。
ゆったりとした時間の流れと、満たされた光と木々の作る揺れ動く影の中で、作り手の気持ちが込められたこだわりの家具が出来上がっていく。
この山深きファクトリーからこの穏やかな気持ちよさを纏ったモノたちが広がっていくのだな~と。


モノの形の光を捉え続けて夏が終わり、名古屋にふらりと。
カメラ少年時代に通いつめた動植物園を訪問。
準備中の温室や主役のいない動物園の装置に、ただ茫洋とある緩やかな光を感じて時を忘れて撮影をする。
そこには次なる光景の登場を感じずにはいられない。お昼のサイレンでハッと我に返り気持ちの満足とともに、
お腹の満足を満たしに園を後にした。