- Photographer
伊藤之一
- 2016.02.08
あっという間に2月が。というか、コラムの更新も半年ぶり。皆さんご無沙汰しております。
カメラマンと大学講師の二足のわらじでここまで時間足らなくなるとは、、。すみません言い訳です。
自分の甘さに反省しつつ、どうにかこうにか2016年。過ぎ去りし過去は一本の道、明日は大空なんて言葉もありますが、チョット昨年振り返りつつ今年の事書いてみたりしてみます。
兎にも角にも、スチルライフ中心のここ数年がガラリと刺激されたロケ続きの一年で、ハワイ、タイ、ベトナム、スコットランド、中国と帰国後の味噌汁の味が染みました。
そんな中、スタジオでのいつもの撮影が自身のリズムを整えてくれる。基本は物撮りカメラマン。いつものスタッフが有り難く思える一年でもあり、今年も暫くは続きそうで初めての所に訪れそうです。しっかり体調管理をしなくては、そう、なんと今年で50歳なのです。
当サイトの編集長・坂田さんと初めてお会いしたのは32歳だったはず。まだ若かったなあ~。
この頃カットの多い撮影などでは少し愚痴っぽくなるのもうなずける。(皆様どうかお許しを!)
なので、若者たちとの撮影現場も多く、数少ないご同輩との現場は落ち着く。とかなんとか言っている場合ではない事は100も承知で今年も撮影とそして授業。
大学には様々な施設があり最もお世話になっているのは図書館。これは本当にヨダレ物の写真集が!最新の物ももちろんありますので、受験生のごとく勉学に励むわけですが、
偉大なる先輩写真家の充実の仕事ぶりを目のあたりにして、落ち込んでみたり。なぜか生徒に励まされたり。
しかし美大生の自由な発想には驚かされつつもデジタルフォトには飽き足らず、生徒のリクエストで衰退しつつある暗室でのワークショップを行う事になり有志10数名で、久々に酢酸の匂いにまみれ原点回帰をしたりしてみました。
チャプチャプと現像液の中の印画紙から像が現れる時、生徒たちの「お~!」の言葉に、でしょう~。と深く頷く。
暗闇での自らの視線との再会、「この感動が大切なのさ」と改めて感じる。
それにしても、小型カメラでチャカチャカと、依頼仕事、自主制作の撮影の合間に、撮られた写真が日々溜まっていく。
殊更に何かを伝えるためで無いのだけど、琴線に触れる何かをそれらの写真はひたひたと放っている。コンセプトも目的も無い写真。
そこには次なる撮影への原石? 次への扉? なのだろう。
期せずして鎌倉で羨望の眼差しを送り続けた写真家、十文字先生のざっくばらんな飲み会に参加させていただき、若き頃からの謎を解明したく質問を失礼ながらぶつけさせていただきました。
優しく丁寧にご教授いただき感激しきりでした。
美味しすぎる独自に焙煎されたコーヒーを永遠に飲み続けたいとこころから思う訳で、、、。
撮影への新たな鋭気を頂いた1月でもあり、すでに2月の今ですが日々、活写して行きます。
伊藤之一 - Photographer
1966年愛知県生まれ。1991年日本大学芸術学部写真学科卒業 2000年博報堂フォトクリエイティブを経て、伊藤写真事務所設立。広告写真制作を主軸に、自主制作を継続的に発表している。主な写真展に「入り口」銀座ニコンサロン「雨が、アスファルト」エプサイト「隠れ里へ the invisible scene」RING CUBEがある。主な写真集に「入り口」「雨が、アスファルト」「ハレ」「電車カメラ」(ともにWALL刊)がある。今夏より「1:1」のタイトルで光の誘いをテーマに連続展を行なっている。
- 2017.09.19光遊カメラ vol.12 光の音
- 2017.01.10光遊カメラ vol.11 二つの光
- 2016.08.23光遊カメラ vol.10 30秒の呼吸。
- 2016.02.08光遊カメラ vol.9 撮る撮るの毎日。
- 2015.07.24光遊カメラ vol.8 あちこちと週一。
- 2015.02.27光遊カメラ vol.7 光色めく
- 2014.11.04光遊カメラ vol.6 色抜ける。
- 2014.06.30光遊カメラ vol.5 1:1フレームの光
- 2014.03.26光遊カメラ vol.4 光の知らせ。
- 2013.11.11光遊カメラ vol.3 気持ちも変える光
- 2013.10.04光遊カメラ vol.2 光の効能
- 2013.07.12光遊カメラ vol.1 光の記憶