- Photographer
伊藤之一
- 2015.02.27
日なたを求めて目が泳ぐ、カメラ片手に体も泳ぐ。
少し早足でいつもの道を歩きながら、風のない陽だまりに色めきを拾いながら歩く。
小一時間、何でもない空き地を歩くと、体も温まり見えてくるものがある。
トタンからの鉄棒でさえ、陽だまりで柔らかく見えてくるから不思議だ。
光と影が矢印を作り視線をその先に放つ。
フッと曇り面食らう。
しばらくして日差し矢印が現れて目線の行き先が決まる。
サッとまた歩き始める。
ときに枝にときに壁に、その姿を変えてカメラを通し光景として現れる。
ときに茫洋と、気まぐれにシャープに。
その影の柔らさ、色の柔らかさに、彩りの季節が直ぐそこまで来ている! と意味もなく早足で光の作る形や彩りを楽しみながら、パズルの欠片を探すような毎日が続く。
足元の傍らに、頭上にある光を拾いながら。
伊藤之一 - Photographer
1966年愛知県生まれ。1991年日本大学芸術学部写真学科卒業 2000年博報堂フォトクリエイティブを経て、伊藤写真事務所設立。広告写真制作を主軸に、自主制作を継続的に発表している。主な写真展に「入り口」銀座ニコンサロン「雨が、アスファルト」エプサイト「隠れ里へ the invisible scene」RING CUBEがある。主な写真集に「入り口」「雨が、アスファルト」「ハレ」「電車カメラ」(ともにWALL刊)がある。今夏より「1:1」のタイトルで光の誘いをテーマに連続展を行なっている。
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