「伊島薫『虫螻』(むしけら)、伊島薫太朗『落花』(らっか)」、ふたつのシリーズを同時に紹介する二人展がALで開催される。

本展は父子による初めての展示となる。額装プリント約30点ずつを展示・販売するほか、同名写真集も会場にて先行発売する。

実店舗としての営業が終了したGALLERY SPEAK FORが、企画・主催をしているのも興味深い。

紹介文
蚊やハエ、アブなど、伊島薫氏の身の回りに現れては一瞬のうちに殺された虫たち。それらを、リングライトを装着したデジタルコンパクトカメラの顕微鏡モードで凝視し撮影したシリーズが「虫螻」です。
彼自身の生活日記やドキュメンタリーのようでもあり、また、死体にハイブランドの服を着せる「最後に見た風景」シリーズと、人体のありのままに迫る高精細スキャン「あなたは美しい」シリーズの延長線上にある作品とも捉えられるでしょう。
一方、伊島薫太朗氏の「落花」は、花弁が落ちていく瞬間の造形美をカメラで丹念に追い続けたシリーズです。シンプルな構想でありながら、花のカラーグラデーション、落ちていく空気感と偶然に得られる光彩、シャッタースピードなどを絶妙にカクテルして描かれ、生命とエロスを謳う抽象画のようでもあり、また見ているうちに、花弁を振り落とす彼固有の身体性や視線にシンクロできそうな、実験的な作品になっています。

本展は、父子による初めての二人展です。
二者に師弟関係はなく、薫太朗氏は独学で写真を学び、「落花」シリーズを撮りためてきました。父子それぞれ、モチーフは異なりながらも、生命へ向けられたユニークなコンセプトと、写真でしか表現しえないアプローチで瞬間美に迫り形にするセンスには強い共通性が感じられます。
  
写真集  
伊島 薫「虫螻」A5判 64ページ 予価2,000円(税別) 
伊島薫太朗「落花」A5判 64ページ 予価2,000円(税別)
2017年6月上旬発売予定。会場にて先行販売。
 
伊島 薫
1954年、京都府生まれ。'80年代からフォトグラファーとして活動を開始。ミュージシャンのCDジャケットやポートレート撮影、ファッション誌、広告写真を数多く手がける一方、'94年に実験的なファッション誌「Zyappu」を創刊し自ら編集長に。代表的な作品シリーズに「最後に見た風景 - Landscapes with a Corpse」、「あなたは美しい」など。欧米各地でも個展を開催し高い評価を得ている。最近の個展に「あなたは美しい」(2017年、京都場)。
http://www.izimakaoru.jp

伊島薫太朗
1988年、東京都生まれ。エスモード東京校、ここのがっこう、英国などでファッションデザインを学ぶ。写真は13歳から撮り始め、独学で習得。2005年より作品制作を開始した。

展示会風景


©Izima Kaoru


©Kuntaro Izima

展示会情報

AL 1F main space
http://www.al-tokyo.jp/

ギャラリー名
AL 1F main space
住所
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17-1F
開館時間
12:00〜19:00(最終日のみ18:00まで)
アクセス
東急東横線 代官山駅 徒歩5分