上田義彦写真展「Forest 印象と記憶 1989-2017」が、Gallery 916で開催される。

Gallery 916は、竹芝駅周辺の再開発および入居する鈴江倉庫ビルの取り壊しに伴い、2018年4月で閉廊する。30年間、森を撮り続けている上田さんの本展が、Gallery 916の最後の企画展となる。
また本展に併せて、青幻舎より写真集『FOREST 印象と記憶 1989-2017』も出版される。

紹介文
上田義彦はなぜ、森を撮り続けるのか。なにが、彼に森を撮らせるのか。
30年もの長きにわたり、生命の循環と全身全霊で対峙した上田が紡ぎ出した、瑞々しく崇高な森。
上田の眼差しと記憶というフィルターを通して命宿る森と対峙したとき、その答えは自ずと見つかる───
1989年、ワシントン州Quinault という神聖な森との出会いから始まり、2011年に東日本大震災での大自然の猛威によるあらゆる生命の破壊を目の当たりにしたことで、命の根源を確かめるように撮り始めた屋久島の森。そして2017年、新たに撮りおろしたQuinault、屋久島の森、さらには奈良春日大社の原生林。本展では、生けるものの原初の摂理を現す森の姿を、約30年間撮り続けてきた1989年から2017年の最新作まで、約50点の作品を展覧いたします。

ステートメント
僕が森を撮り始めて、30年が経とうとしている。
そして今、アメリカ北西部のQuinault の森と、日本列島の南に位置する屋久島の森、そして、日本の中心部に位置する奈良の春日大社の原生林、地理的には太平洋を挟んで存在するという以外、無関係に思える三つの森を、僕は写真に撮った。
乱暴に言えば、行きがかり上、たまたま偶然、縁があって等など。しかし実は、これら三つの森には僕にとって重要な共通点がある。それはこれらの森が太古から人間によって守り継がれてきた、守らねばならないと、人に感じさせる何か大切な力があったからだということ。それを感じとる大事な力を、人は太古から受け継いできた。それを自分自身にも強く感じる。多くの森に僕は出かけた。
しかしこの三つの森と出会った時、特別な感覚に襲われ、そして「撮らなければ」と、強く思った。
それは言葉にならない、僕の中で起こった鋭い感覚だった。その感覚が僕に、この三つの森を撮らせることになったのだと思う。
 

展示会風景


Quinault 2017


Quinault 1990


Materia 2011


Kasuga 2017


写真集COVER
 

展示会情報

Gallery 916
http://Gallery916.com

ギャラリー名
Gallery 916
住所
東京都港区海岸1-14-24 鈴江倉庫第3ビル 6F
開館時間
平日11:00〜20:00 土・日・祝日 11:00〜18:30  月休(祝日を除く)
入場料:一般 800円、学生・シニア 500円、高校生 300円、中学生以下無料
*半券をお持ちの方には割引有り
アクセス
ゆりかもめ竹芝駅 徒歩2分
JR 山手線・浜松町駅(北口)徒歩10分