高橋和海写真展「Eternal Flux - 行く水の流れ - 」が、ブリッツ・ギャラリーで開催される。

紹介文
「Eternal Flux」は、永遠に続く絶え間ない変化、という意味。サブタイトルの「行く水の流れ」は、方丈記を意識して付けられています。本作で高橋はライワークとしている宇宙の営みの視覚化をさらに展開させます。今回は、海の水は太陽によって蒸発し、再び水に還り、雨として陸地に降り、そして再び海へと還るという、完全なる水の循環サイクルを意識して作品を制作。その自然サイクルから現代社会の諸問題の解決ヒントを導き出そうとします。人間が自然を支配するという西洋的な思想が、地球の資源を消費し自然破壊を引き起こしてきました。それに対して、仏教の輪廻に通じる自然サイクルを重視する考えが、この問題への対処方法になるのではないかと示唆しているのです。

タイプCカラープリントによる作品約16点が展示。フォトブック「Eternal Flux」(SARL IKI 2016年刊)も限定数販売される。

ステートメント
重力あるいは引力は、地球を太陽中心に公転させ、月を地球に巡らせる。
そして、水は流れ、月の力は波と潮に作用する。
水は、日によって蒸発し雨として再び水に還る。海で蒸発した水は陸に降り、
そして重力によって海へと還る、完全な水のサイクル。
日本の仏教では、輪廻転生という概念があり、人の魂もまた転生し、永遠の
サイクルのなかにあると考えられている。私のプロジェクトは、写真によって、
こうしたサイクルを視覚化しようとする試みである。
私は漁師の家に生まれた。そのため、水の流れ、干満、そしてそういった
宇宙のリズムと共にあった。海は私にとっての原風景、それは幼少期からの
非常にコアな原初的風景だ。
私の写真、海岸線を巡る旅は、永遠の流れを、宇宙のサイクルの中心を、
そしてその終わりも始まりも無いことを、世界に暗示しているのである。

高橋和海
1963年 神奈川県横須賀生まれ
1989年 東京綜合写真専門学校卒業、1991年同校研究科卒
1990年代から個展、グループ展で作品を継続して発表
2007年 米国の有力アート写真集出版社のNazraeli Pressより"High Tide Wane Moon"を刊行
2008年 米国オレゴン州ポートランドのCharles A. Hartman Fine Artで米国初個展を開催
2015年 大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2015参加
2016年 フランスの出版社SARL IKIより"Eternal Flux"出版 Joy of Giving Something, Inc.コレクション(ニューヨーク)に作品が収蔵

展示会風景


Tanesashi Beach1 / Hachinohe Aomori , 2013(種差海岸/青森県八戸市)
ⓒ Kazuumi Takahashi


Tanesashi Beach3 / Hachinohe Aomori , 2013(種差海岸/青森県八戸市)


Omorizaki / Minami-Sanriku Miyagi, 2011(大森崎/宮城県本吉郡南三陸町)


Kamui Misaki 2 / Kamui Hokkaidou, 2014(神威岬/北海道積丹郡積丹町)


Nako Beach / Tateyama Chiba, 2008 (那古海岸/千葉県館山市)
 

展示会情報

ブリッツ・ギャラリー
http://www.blitz-gallery.com/

ギャラリー名
ブリッツ・ギャラリー
住所
東京都目黒区下目黒6-20-29
開館時間
13:00~18:00(日・月休廊)
アクセス
JR目黒駅からバス、目黒消防署下車徒歩3分 / 東急東横線学芸大学下車徒歩15分