没後20年 特別展「星野道夫の旅」が、IZU PHOTO MUSEUMで開催される。

紹介文
1978 年にアラスカに移り住み、20 年近くにわたり極北紀行を重ねた星野道夫(1952-1996)。大自然が見せる多様な姿をカメラで追い続けると同時に、言葉により思索を深めた星野が残した仕事は、今日まで多くの人々を魅了し、変遷する自然と文明の関係を問いかけ、現代に生きるとは何かを改めて考えさせます。
本展では、ありのままの自然の姿が写し取られた「マスターピース」から、過酷な環境下で脈々と続く「生命のつながり」、極北に暮らす人々の精神性が見出された「神話の世界」まで、星野の写真と言葉による物語の世界が展示空間に立ち現れます。加えて、現地の取材で使用されたカメラやカヤック、貴重な記録映像や自筆原稿などの資料を展示し、星野が伝えたかった極北の世界へとみなさまを誘います。

●展示構成
アラスカとの出会い
アラスカを目指すきっかけとなった写真集『Alaska』には、星野の目をとらえて離さないある村の空撮写真が掲載されていた。本展では、その写真集とシシュマレフ村村長に宛てて送られた手紙の実物を展示し、星野道夫の旅の始まりを知らせる。

マスターピース
およそ20年間におよぶ紀行を通して、極北を撮影した星野。彼の地のありのままの自然の姿が写し取られたマスターピースを大判のカラープリントにより一望できる。

生命のつながり
本章では、ザトウクジラ、カリブー、グリズリーなどを取り上げ、極北の過酷な環境のもとで生き抜く生命の躍動や一連のつながりを視覚的に示唆し、生きることそのものを問いかける。

神話の世界
現地の人々との交流を経た星野は、厳しい自然のなかで生かされてきた人間の社会に貫かれる思想に強い関心を寄せ、晩年取材を重ねた。極北に広く伝わるワタリガラスの伝説やエスキモーのクジラ漁、ベーリング海を渡った先のシベリアを中心に展示。

星野道夫の部屋
極北での自然写真家としての仕事を現存する資料から紹介。取材に携行されたカメラやブーツ、アラスカでの移動に使用されたカヤック、取材の様子が記録されたドキュメンタリー映像、取材時のセルフポートレートなどを展示。さらに、自筆原稿や掲載雑誌を展示し、写真技術の進化に伴い大きく発展した自然写真分野における星野の当時の活躍に迫る。
 

展示会風景

撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino

ザトウクジラのブリーチング


白夜の北極海にクジラを追う


山岳地帯に生きるドールシープの親子


夜空に舞うオーロラと満月


クジラの骨の遺跡とベーリング海に浮かぶ半月(ロシア、チュコト半島)


カリブーの季節移動を待つ星野道夫
 

展示会情報

IZU PHOTO MUSEUM
http://www.izuphoto-museum.jp/

ギャラリー名
IZU PHOTO MUSEUM
住所
静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1
開館時間
7・8月/10:00~18:00
9月/10:00~17:00
*入館は閉館30分前まで。

毎週水曜日休館
*2018年8月15日は開館
*企画展の開催期間以外は休館

大人 800円 / 高・大学生400円 / 小・中学生 無料
アクセス
JR 三島駅 北口(新幹線口)発、無料シャトルバスあり