大門美奈 写真展「浜」が、キヤノンギャラリー銀座で開催される。

「浜」は、大門さんが2014年茅ヶ崎市に転居してから取り組みはじめたシリーズ。茅ヶ崎の浜に集う人々とのやりとりから見えてきた、浜という場所が持つ特異性や、浜を中心に生きてきた人々から教えられた、潮の流れ、風の動きなどが生み出す浜の様々な風景と、浜の人々を、住まう人間ならではの目線で写し出した作品。約4年間撮りためた写真から約35点を展示する。

会場では展示にあわせて写真集『浜』(赤々舎)も販売。
A4変形サイズ・上製本・税別3,800円《予価》
写真展で展示する作品に約15点を加え、よりストーリーを感じられる構成となっている。

ステートメント
浜で名前を持つ者は少ない。
度々顔を合わせて話をしていても名前を知らない。
私が「サミー」と呼ぶ漁師がいる。
年の離れた友人から「サミー・デイビス Jr. みたいでしょ」
と紹介されたので、それ以来彼はサミーである。
浜で過ごしていると、名前など無くても、
自分が何者であるのかも話す必要など無いように思えてくる。
4年前、茅ヶ崎の海辺近くに移り住んだ。
茅ヶ崎の海というと湘南の華やかなイメージが浮かぶかもしれないが、
私が住むのは黒い砂浜、荒っぽい相州弁の飛び交う漁村のようなところである。
海から受ける恩恵は大きい。
魚が新鮮だ、景色が良い、といったことだけでなく
海がそこにあるというだけで生活自体が変わるのだ。
朝、浜へ行く。 浜へ行くと必ず知っている誰かに会う。
会って二言三言、言葉を交わす。
「明日は波が良さそうだ」とか「週末に大会があるから見においで」とか。
浜に行けば、誰かがいる。
誰かと会う約束をしているわけではないが、
皆、浜に導かれるようにしてやってくる。
ここで暮らす人は、皆それぞれの「浜」を持つ。
幼い頃「またあとで」と手を振るだけで、またいつもの公園で会えたように
身体的に誰かと繋がっていることのできる場が浜なのだ。
この浜の日常を、残しておきたい。
記憶をただ積み上げるように、でもかけがえのない日常を撮ることが、
この浜や、浜で出会った人々へのほんの少しの恩返しだと思っている。

巡回展
キヤノンギャラリー名古屋:2018年11月8日〜2018年11月14日
キヤノンギャラリー大阪 : 2018年11月22日〜2018年11月28日

展示会風景


展示会情報

キヤノンギャラリー銀座
http://cweb.canon.jp/gallery/ginza/index.html

ギャラリー名
キヤノンギャラリー銀座
住所
東京都中央区銀座3-9-7 トレランス銀座ビルディング1F
開館時間
10:30~18:30(最終日 15時まで) 
日曜、祝日休館
アクセス
都営地下鉄 東銀座A7、A8出口より徒歩1分
東京メトロ/都営地下鉄 東銀座A2出口より徒歩2分
東京メトロ 銀座駅A12出口より徒歩2分