濱田祐史作品展「R G B」が、PGIで開催される。

白バックに落ちる被写体の影を、R(赤)G(緑)B(青)のフィルターを使用し、多重露光で撮影した作品。

紹介文
「R G B」は「C/M/Y」に続き、色と光を考察する作品の第二弾となり、光の三原色をテーマに据えている。
フィルムに露光された色と粒子そのものを見たい、という思いから、白をバックに影を被写体として、R(赤)G(緑)B(青)のフィルターを使用し、多重露光で撮影しています。
写真作品では一般的に具体的なモチーフが被写体になりますが、実体を写さず影を撮影することで、「〇〇は何色」という概念からも逃れ、相対ではなく純粋にそこにある色を見ることができます。またそれら抽象的なイメージは「実体の不在」という概念的な美を呼び覚ましました。
作品のもう一つの側面として、今回はそれぞれの作品タイトルが、撮影に使用したフィルムの名前になっています。制作にあたり、現在身近に入手することのできるカラーネガフィルムを買い集め、フィルムが持つ色や粒子のポテンシャルを可視化することを意識して制作しました。撮りたいという衝動と光と影があっても、将来フィルムや印画紙がなくなってしまうのでは、という危機感から「今あるフィルムであらわすことのできる色をじっくりみて保管すること自体が重要だ」と語っています。

ステートメント
子供の頃、近所のプールで日光浴をしている時に見た光の印象が、眩い白色だったことを覚えている。
光の白色は光の三原色(赤、緑、青)が混ざり合ってできているということが、子供だった私には理解できなかった。
今でも、黒い影を見ると、たくさんの色が混じって白色ができているというのは、やっぱり不思議だな、と思う。
私たちは何かを見る時、見えているものや状景を頭の中で取捨選択していて、光と影は取り立てて意識されることはない。
その光と影という普遍的な現象に対峙して、フィルムに露光された光の色自体を見てみたくなったのだ。
フィルムの持っている色を意識的に見るために、自然光とその影のみを撮影し、プリントは一定条件に統一した。
くっきりはっきりとは見えない。そこには見えないことによる美の存在があった。

濱田祐史
1979年大阪府生まれ。2003 年日本大学芸術学部写真学科卒業後出版社に勤務、2006年より フリーランスフォトグラファーになる。写真をメディアとして「『見る』とはどういうこと なのか、『見えない』とはどういうことなのか」という問いかけをもとに撮影、制作をしている。
近年の主な個展に、PGI(東京)にて「Pulsar + Primal Mountain」(2013) 「C/M/Y」(2015)、「Broken Chord」(2017)、ミュンヘンのGALLERIE f 5.6での「photograph」「Primal Mountain」(2016)がある。
2014年、ヴェヴェイ(スイス)のフォトフェスティバル" Images" にてPrimal Mountainのインスタレーションを展示。2015年、エクスアンプロヴァンスフォトフェスティバル(フランス)、ニューヨークのコンデナスト ギャラリーでのグループ展に参加。
2014年に初の写真集 「photograph」がParis Photo/ApertureのFirst Photobook Award 2014にノミネートされるなど、東京を拠点に活動し国内外で作品発表をしている。
2015年には印刷技術も写真表現のひとつとした写真集「C/M/Y」 、スイスにて滞在制作した作品集「BRANCH」が出版された。
  

展示会風景

©Yuji Hamada, Courtesy of PGI

AGFAPHOTO vista plus 400_01


CineStill film 50_01


Hillvale SUNNY 16 400_01


 Lomography COLOR NEGATIVE 400_01

展示会情報

PGI
http://www.pgi.ac

ギャラリー名
PGI
住所
東京都港区東麻布2-3-4 3F
開館時間
11:00〜19:00(月〜金)
11:00〜18:00(土)
日・祝日休館
アクセス
都営大江戸線 赤羽橋駅 徒歩5分