原直久作品展「蜃気楼 IV」が、PGIで開催される。

ヨーロッパやアジア各地の都市風景を8×10カメラで撮影している原さん。本展では海の造形や風景をテーマにした「蜃気楼」シリーズを30年ぶりに展示する。

紹介文
原直久はパリやイタリア山岳都市などヨーロッパの、そして近年ではアジア各地の変わりゆく都市風景を8×10インチの大判カメラで撮影した作品で知られている写真家です。そのプリントは完璧な技術により揺るぎない美しさを湛え、日本のみならず海外でも多くのファンを魅了しています。2017年秋には台湾の国立歴史博物館で大規模な回顧展が開催されました。

もっぱら都市風景の作品で知られていますが、最初に制作した写真作品は九十九里浜の海から始まったこの「蜃気楼」のシリーズです。房総の海を自分のアトリエと呼び、海をテーマにした「蜃気楼」を自らの原点、特別な存在として位置づけています。厳寒の海で何度も目にした蜃気楼現象をタイトルに据えたこのシリーズでは、自然が作り出す美しい造形や風景を撮影しながら、作者はそこに夢想と現実の中に揺れる蜃気楼を見いだしています。

撮影を始めてから早い段階で、同じ場所を撮影した2枚のネガを左右反転させ重ねて合成プリントしたシンメトリックのサブシリーズを制作しました。自然の造形を反転合成したシンメトリック作品は、まるで万華鏡のような、怪奇的で生命体のような不思議な調和を持つイメージに生まれ変わっています。
ほとんどが未発表であったシンメトリックの作品を中心に、蜃気楼シリーズの代表作を30年ぶりに展示いたします。ゼラチンシルバープリントによるモノクロ写真作品 25点展示予定。

原直久
1946年千葉県松戸市生まれ。1969年日本大学芸術学部写真学科卒業。1971年日本大学芸術研究所修了。
1976年~77年文化庁派遣芸術家在外研修員としてフランス、ドイツで研修。1984年~85年日本大学長期海外研究員としてパリを拠点に研究および制作活動を行う。2017年 日本大学を定年退職。現在 日本大学非常勤講師。

展示会風景


©Naohisa Hara, Courtesy of PGI


 

展示会情報

PGI
http://www.pgi.ac

ギャラリー名
PGI
住所
東京都港区東麻布2-3-4 3F
開館時間
11:00〜19:00(月〜金)
11:00〜18:00(土)
日・祝日休館
アクセス
都営大江戸線 赤羽橋駅 徒歩5分