Kenji Toma写真展「THE MOST BEAUTIFUL FLOWERS」が、Gallery 916 smallで開催される。

紹介文
1990年よりニューヨークを拠点に活躍するKenji Toma初の個展となる本展では、自身の愛蔵書である19世紀フランスを代表する植物図譜のひとつ「Choix des plus belles fleurs/美花選, ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ著」に描かれた花たちへのオマージュとなる200点余りのシリーズ「THE MOST BEAUTIFL FLOWERS」の中から、厳選された約10点を展覧いたします。

ステートメント
この連作写真は、19世紀フランスを代表する植物図譜のひとつ『Choix des plus belles fleurs/美花選, ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ著』に描かれた花たちへのオマージュです。この本は、わたしの愛蔵書であり、いつかこのようなスタイルの花の静物写真を撮ってみたいという想いを長年温めておりました。

いざ撮影に入ると、植物図譜に描かれた花は、実はとても人為的である事に気付きました。人間の都合の良い構図におさめられた、一見なんの変哲もない美しい花の姿の、陰に隠れた微かな違和感の存在を見た気がしました。一切の私情を排した植物図譜的な写真を撮る事は、同時に平凡なものの持っている奇異さを探る作業でもありました。

珍しくも無く、特別でも無い美しい花。今回わたしは、あえて街角のどんな花屋にでも並んでいる様な、平凡な品種の花たちに焦点を絞ってみました。なぜなら、凡庸な花の美しさの裏に僅かに潜む異様な一面を確かめてみたかったからです。

植物の色、形、特徴等の情報を忠実に伝えるという植物図譜本来の役割とは目的を異にする、この植物図譜"風"の静物写真は、観る者に一体なにを伝えるのか?それは、客観的な視点を通しているつもりが、実はとても私的な、花に寄せるわたしの想いそのものなのかも知れません。

カラー写真技術が存在していなかった時代、それらの植物画はrealityを追求し緻密に描かれました。その世界観を、レンズを通しながらも、あえてどこかunrealに写し出すという全く逆のアプローチで表現することの興味深さ。わたしは、そんな花の静物写真に面白みを感じて撮っています。
Kenji Toma

Kenji Toma
新潟県に生まれる。秋元茂、浅井信一、小林和弘、各氏に師事。その後フリーランスとなる。1990年よりニューヨークに拠点を移す。以来、コマーシャル・スティルライフ・フォトグラフィーの分野で活動し、そのユニークなスタイルと細部に拘る視点が造り出す独特な世界観は高く評価されている。平行してパーソナル・ワークにも取り組み"The Most Beautiful Flowers"は、その代表作。同タイトルの写真集が2017年夏、ドイツKEHRER社より刊行される。現在ニューヨーク在住。

展示会風景


MB_005, Liliy-Gironde


MB_026, Dahlia-Victoria Ann


MB_058, Dahlia Woodlands Fiesta


MB_092, Peony-Raspberry Charm


MB_159, Tulip-Toplips Double
 

展示会情報

Gallery 916
http://Gallery916.com

ギャラリー名
Gallery 916
住所
東京都港区海岸1-14-24 鈴江倉庫第3ビル 6F
開館時間
平日11:00〜20:00 土・日・祝日 11:00〜18:30  月休(祝日を除く)
入場料:一般 800円、学生・シニア 500円、高校生 300円、中学生以下無料
*半券をお持ちの方には割引有り
アクセス
ゆりかもめ竹芝駅 徒歩2分
JR 山手線・浜松町駅(北口)徒歩5分