温泉マニア? として、今年の正月旅行は秘湯を求めて長野へ行って来た。
長野って身近に思えて意外と遠い。。。新宿からスーパーあずさ号に乗って2時間45分程かかる。

まずは第一の目的地、下諏訪に到着。雪がちらつく中、毒沢温泉へGO〜!!!
毒沢温泉は下諏訪温泉街から数キロ程登った山の中腹、標高800mの所にある。宿も3軒しかない小さな小さな温泉地。歩くと約1時間はかかる、かな。そんな小さな温泉地の何が気になったかって、やっぱりこのネーミング!!「毒沢温泉」!!「毒」の「沢」です、ハイ。かなりパワフルに違いないっ!!
毒沢温泉はアルミニウムを含む温泉で、日本では珍しいとか。源泉温度はなんと、2度!! 源泉は透明だけど、加熱して20度を超すと黄土色/オレンジ色に変化する、不思議な温泉なのです。

今回お世話になったのは「神乃湯」さん。こちらもネーミングがかなりCatchyです。しかも、「日本秘湯を守る会」のメンバー! 本気モードが伝わって来るね〜。

武田信玄の隠し湯とも呼ばれ、昔からこのお湯の確かな効能、素晴らしさは評判だったらしい。鉱泉は飲用許可も出ていて直接飲む事も出来る。特に胃腸の悪い人、貧血の人に効果があるらしい。ちょっと酸っぱくて、鉄の味がした。(感想としてはCCレモン+鉄っぽい 笑)1日100ml〜200mlが限度らしいが、そんなに飲めない〜〜。でも、胃腸が健康な人はこのお湯をゴクゴク「美味しい」と感じて飲めるんだとか!
そして、飲用のお湯も凄いけど入浴方法がまたまた凄い!!!!

黄土色の熱い温泉の隣に小さな風呂がもう一つあって、こちらは源泉!! もう一度言うけど、源泉は2度でございますっ! この日は外気温が−8度くらいだったから、源泉ももっと下がってるはず!! 冷たい風呂、温かい風呂を交互に入浴するのが「神乃湯」のお決まり。

この冷温入浴を繰り返す事で自律神経に効果があるらしいけど、後から館長さんに聞いた話では、冷たい源泉に入ってまず身体の「厄」を落とす。その後に温かい風呂に入って、エネルギー/良い「気」を頂くのだそうだ。実際、冷温入浴を繰り返して行くと心と体が清められてく感覚になる。最初は足のつま先を冷風呂に入れるだけで「うわ〜〜〜〜っつ!無理っ!!」と声を出さずにはいられないほどの極寒!!でも、頑張って心を無心にして冷水に身を委ねることに慣れて来ると、不思議と肩までどっぷり浸かる事が出来た。その後の温泉は痛いと感じるほど身に沁みる。そして温かさがぽかぽかと持続してくれる。こんな入浴は初じめて!! まさに、修行僧な感じ!(笑)
効能は言うまでもなく素晴らしい! お肌ツルツル〜〜。まさにナチュラル スパ!

しかし、「神乃湯」はここで終わらない!!! 名前のごとく、このお宿には神様がいっぱい宿っていて館内の至る所に神様が奉られている。そして、浴場から少し山道を下りた所にこの温泉の水神様&竜神様を奉った神殿がある。本来、そこに参拝してから温泉に入るのが基本らしいが、最近クマが出没した事もあって残念ながら立ち入り禁止。
と、思いきや!! 翌朝、館長さんが竜神様の神殿にお参りに行くと言うので、同行させて頂ける事に!!!ラッキ〜〜〜

浴場の奥の脇に神殿への道が作られている。朝の気温は-10度。その極寒の中、正座をして神殿の前で念仏を唱える館長さんとご一緒出来た時間は、本当に本当に貴重であった。神殿の背後には山があって、そこから源泉を引いているからとても良い「気」が巡っている。

源泉も、お宿が建っている土地も、全ては「借り物」であって感謝を持って使わせて頂いている、その感謝の意を持って定期的に神社にお参りに来るそうです。源泉を引いて使わせて頂いている、土地を区切って建物を建てさせて頂いている、食べ物だって命ある物を頂いている、そして自らの体さえも神様から頂いた「借り物」である。そんな意識が心にあれば、人はむやみに自然を破壊したり、汚染したり、動物を虐待したり、人を傷つけたりしないでしょう、と館長さんは話していた。

自然と調和しながら、その自然の恵に感謝して生きて行くことがどれほど大事な事か。当たり前の事だけど、コンクリートに埋もれた大都会の生活の中で忘れがちになってしまう事。館長さんのお話がピーーーンと張りつめた冬の空気の中でとってもクリアに聞こえた。

「うちのお湯は本当に効くんです。」と誇らしげに宣言していたけど、それもそのはず。「神乃湯」一帯が自然と対話しながら、感謝の念をもって営んでいるから。尊い大地がその偉大な神秘的な効力を私達に分け与えてくれているに違いない、と感じた。

「神乃湯」は単純に温泉目的で行ったけど、何かそれ以上の素晴らしい貴重な体験をすることが出来た。
温泉は大地の恵。温泉に入る行為は、心身清める行為である、と、いつもと違う温泉の入り方を「神乃湯」が教えてくれた気がする。

自然の偉大さ、そしてその中で暮らすあらゆる命の尊さを再確認しての新年スタートとなった。
そして、今年も心に「感謝」の気持ちをしっかり持って、一日一日を大切に過ごして行きたい。