遅ればせながら、去年の大晦日の仕事について書いてみようと思います。

大晦日と言えば紅白!
紅白と言えば多い時で国民の2人に1人は見ている、と言われる年末の国民的行事。そんな大舞台に私は3年振り2回目! MISIAとお仕事させて頂きました♪

ビッグイベントと言えど、ヘアメイクに具体的な詳細が降りてくるのは、紅白まで2週間切ったある日、どんな現場でも毎度の事だけど、ヘアメイクに情報が入るのは一番最後と言うパターンが多いのです。
そこからフィッティングが始まり、HMテスト等して大体の方向性を決めて行きます。メイクイメージが決定したらそこから足りない物を買い出しに走ったり!
ヘアや衣装の雰囲気が少しでも変わればメイクもまたガラッと変えなければいけなかったりと、、、最後の最後まで気が抜けないドタバタ劇な訳です。

そしていよいよ当日!
場所は渋谷のNHKホールではなく、長崎からの生中継。
しかも、な、なんと当日の朝一の飛行機で現地入り~~! 国民的大移動の大晦日に生放送を控えながらの当日入りはちと心配だったけど、無事に到着っ。
現地に入ったら休む間もなく、メイクスタート! 夕方までのリハーサル前に全て完璧に仕上げなくては行けませぬ!

長崎で会場に選ばれた場所は、平和公園の平和祈念像の前!
MISIA本人が長崎出身と言う事。戦後70周年という記念すべき年にリリースした「オルフェンズの涙」が強く唱う平和のメッセージ。そんな事が重なり合って長崎のこの場所を選んだそう。
 
因に、ステージのセンターでもある平和祈念像は神の愛と仏の慈悲を象徴していて、高く垂直に挙げた右手は原爆の脅威を、水平に伸ばした左手は平和を意味している。横にした足は原爆投下直後の長崎市の静けさ、立てた足は救った命を表して、軽く閉じた目は犠牲者の冥福を祈っている。全身で戦争の恐ろしさと平和の尊さを表現してるのです。
リハ前に皆で像の前で手を合わせに行きました!

平和祈念像の前には一万個以上のキャンドルがびっし~~り!! 一個一個手作業で並べられました。朝からの地道な作業! もちろん、火を灯すのも手作業。
カメラも色々なポジションに配置され、入念にアングルチェック!

カメラと言えば、今のTV業界は4K, 6Kで撮影が当たり前の「超高画質時代」!
UHD(ウルトラハイビジョン)と呼ばれ、数字が高ければ高いほど解像度も上がり、めちゃめちゃ高画質!! と言う事。
「ふ~~ん、TVの画像が高画質に映っていいね~~。」と大抵の人はここにあまり重みを置かないかもしれないけど、メイクにとって4Kで撮影すると言う事は実はとってもチャレンジング!!

WHY?? なぜなら、高画質であればある程ライトが肌を突き抜ける様に全て鮮明に映し出してしまうから。
ほんの小さなシミや薄いそばかすでも奇麗くっきり見えて来ちゃうのです~~。
なのでTVはもちろん広告CM等、あらゆるムービー撮影に対応すべく、メイクツールのリサーチを常日頃からしていないといけないのです~。

メイクの仕事は土台となる肌を完璧にカバーして美しく見せる事が大事!!
でもドーランメイクみたいな厚ぼったい見せ方も許せないっ!
そこで今回の紅白で美肌作りの救世主となってくれたのが、メイクアップ フォーエバーのHDシリーズ! 業界初の4K映像対応のメイクアップ!

「ウルトラHDファンデーション」と、ネーミングだけでも強そう(笑)。
HD対応と聞くと肌の負担が心配になるけど、メイクアップ フォーエバーはグローバルに見ても肌トラブルが少ないブランドなんだとか。
コンシーラー&パウダーも全てHD対応。どれもまったく厚ぼったさがなく、超微反射粒子を使用してるのでとっても薄づきでナチュラル。スチール撮影で表現したい様な「素肌感」をTVの世界でも実現してくれちゃうのです!
保湿力もあって肌の負担ゼロ!

カラー物のチークまでHD対応!!
ナチュラルだけどカバー力と発色の良さはには驚かされる!!

そんなこんなでメイクを仕上げ、いざリハへ!
時間も限られているのでカメリハも一回のみ。その一回で、モニターを入念にチェックしてメイクの仕上がりを調整して行きます。
自分的にはココが一番、集中する場面だったりする。
野外なので、その時の気温や湿度もメイクに左右してくる。本番は22時45分予定だったので、その時刻の環境も想定しながら作り上げて行きます。

そして、いよいよ本番~!!
平和祈念像が色とりどりのキャンドルの海に浮かんでるかのよう。本当に幻想的で美しかったぁ~~!

オンエア中は皆モニターにびったり張り付いて、最後の1秒まで息を飲みながら、ただただ見守り。。。
そして終わった直後の安堵感とスタッフ皆の顔が笑顔に変わる瞬間、言葉では言い表せない達成感と充実感がど~~~っと押し寄せてくる。万歳、万歳~~!! (笑)って感じ。

たった3分の尺なれど、その為に数ヶ月前から走り出すスタッフ。現場では何十人と言うスタッフが皆それぞれのプロフェッショナリズムを出し合って、最高のステージを作っていく。
その情熱とクリエーションの全てがステージの真ん中に立つアーティストに集結されて、素晴らしい歌声と共に世に放たれて行く。
この瞬間が「メイクの仕事していて良かった!」と私を最高に幸せにしてくれる。

自分に与えられた感動を、人にも与えられる様に、これからも美しい世界を作り続けていきたいです。