日本人である以上、必ず訪れなければ行けないと思っていた広島。そして原爆ドームのある平和記念公園に長年の夢叶って、仕事を通じて行く機会が出来ました。

特に行きたかったのは平和記念資料館。思春期をカナダで過ごした私は、日本の歴史を詳しく勉強していないので「もっと知りたい」と言う気持ちが強くありました。

驚いたのは入園料!大人50円で入れます。
きっと皆に見てもらいたいから、知ってもらいたいから、この値段で入れるんでしょうね。

資料館を入ると、まず目の前に飛び込んできたのは爆心地から数キロメートル離れた場所で撮影された数々のきのこ雲のパネル写真。この写真を見ただけで、ギュッと胸が痛くなりました。核ミサイルがどんなに恐ろしい破壊力を持ったモノだったのか、写真をみた瞬間その恐ろしいエネルギーが強烈なインパクトで伝わって来ました。

資料館に置かれている各遺品には所有者の名前、当時の年齢、どこでどうやって被爆したのか、その後どうなったのか、詳しいストーリーが語られていました。無差別に奪われた尊い命の一つ一つのストーリーを読んで、戦争の残酷さ、人類が犯した大きな過ちを悟らない人はいないでしょう。

資料館の後に、原爆死没者慰霊碑の前に立つと石のアーチの中にすっぽりと原爆ドームが見えます。広島でもう一つ驚いたのは原爆ドームが想像以上に小さかった事。当時4階建てのビルは大きかったのかもしれないけど、現在周りをビル群で囲まれた原爆ドームの姿はとっても華奢で、よく立ち残ってくれたな、と言う感じ。きっと原爆の悲惨さを語り継ぐ為に、踏ん張ってくれたんだろうな。

因に、毎朝8時15分になると平和記念公園にある時計台から1分間音が流れます。私は偶然朝公園を散歩していて聞きました。原爆が投下された時刻を知らせるべく、慌ただしい現代社会の日常の中でふと思い返す時間をくれる、そんな機会を与えてくれる音色です。

広島は過去の悲惨な歴史を感じさせない程、今は多くの緑と花に溢れゆったりと幾つもの川が流れる美しい街です。ここまでの再生を成し遂げられたのは、人々の計り知れない努力と「生きよう」と思う力強い生命力の結果なのだと思います。広島は戦後ある意味とっても重たい任務を背負って、人類の、世界の平和の為に歩み続け活動を続けている貴重な都市ではないだろうか。

広島の平和記念公園は義務教育の一環で必ず若者を連れて来るべきだ、と凄く感じた。若い頃に戦争の悲惨さ、残酷さ、無慈悲さを学んでしっかり自分の目でこの場所で何が起きたのかを見て、日本が世界唯一の被爆国という重い認識を国民の一人一人が抱けば、未来の「平和」に対する概念ももっと違ってくるのではないかな。

「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」
「Let all the souls here rest in peace ; For we shall not repeat the evil」

この言葉の重みを考える為にも、広島に行く人がもっともっと増えて欲しい。

HIROSHIMA

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