仕事を通じて沢山のパワースポットを訪れる機会が幸運にも多いこの一年。
日光東照宮、厳島神社、霧島神社となかなか遠くて気軽に行けない場所ばかり。
そして、今月はそのハイライトとも言える開創1200年を迎えた和歌山の山間にある高野山!ここが今までの中で一番行きづらい場所&驚きの連続であったことは間違いなし! 大阪からでも2時間弱はかかる、とっても遠~~い道のりなのです。

高野山は約1200年前に弘法大師(空海)が開いた真言宗教の聖地。日本の比叡山、恐山と並んで日本三大聖地として知られている。何がスペシャルかって、やっぱりそれは今年1200年記念にあたり御開帳や特別公開が行なわれている事。
しかも一年中行われているのでなく、年に2回春と秋、各1ヵ月間しか行なわれないとっても貴重な時間!! そんなタイミングで、しかも仕事で、高野山入りが出来て本当にラッキー!! というか何か呼ばれた感じがしてます☆

今回は高野山で触れた沢山の出来事や人々を通じて、普通のガイドブックでは分からない(笑)My高野山ストーリーをお話したいと思います。

高野山の最大聖地といえば、奥の院。
ここは今でも大師様が自らの入定の地として選び、世の中の人々の平和と幸せを願って祈り続けていると言われている。奥の院の入り口を入ると2kmにも渡り、両脇に灯籠や墓石がずらりと並んでいて、日本の6割の歴史上の大名を初め、皇族、文人、庶民、企業、ペット、そしてシロアリ!!? まであるゆる生き物の墓があるそう。実はこれが高野山の最大の特徴で、死んだら全てのものは大小、階層、宗教に関わらず全て平等に扱われる、という世界でもまれに見るとっても寛大な宗教思想だそう。なので、大師様の御介護を受けようとありとあらゆる墓がびっしりと並んでいるわけ、なんです。

この高野山真言宗の民族や宗教に捕われない寛大さ=Toleranceの理念がUNESCOの方々が非常に感銘を受けて、ここ高野山を世界遺産に導いたと言っても過言ではないそうです。

樹齢難百年と言う杉の木もうじゃうじゃ。娚杉なんて、そこら中にあって奥の院を歩いてると全然珍しくない(笑)。
御廟橋(ごびょうばし)を渡ると聖域に入るのでカメラ厳禁。空気がパキッと変わります。

そして、高野山真言宗の総本山である金剛峯寺(こんごうぶじ)。豊臣秀吉が亡母の菩提のために建立したそう。
日本最大の立派な石庭は圧巻!!
雲海に浮かぶ雄と雌の龍が奥殿(写真右)を守っている構図。龍の青い石は全て大師様の故郷の四国山の石が使われているそう。

ちなみに高野山の土地はこの金剛峯寺の管理下にあり、代々この土地の住人でも永遠に地代を払わなければいけないのだそう。引越す際は、家を取り壊し更地の状態にして金剛峯寺にお返しするそうです。
凄いシステム~~!!

そして奥の院に次いで高野山2大聖地なのが、壇上伽藍(だんじょうがらん)。
こちらは今回の仕事の現場でもあり、大師様が真言宗教の修行の場を開くにあたり最初に整備を始めた場所。

その中でも最大の見所は、壇上伽藍の中央にある金堂!!
高野山の総本堂で重要な行事は全てここで行われるわけなんだけど、秘仏となっている薬師如来が1200年の歴史の中で初めて御開帳されている、ま、さ、に、世紀の瞬間!!
普段は薬師如来が手元に握っている綱が外と繋がっていて、それを握ってお祈りをするんだけど(写真右上の方、分かる?)今回は直接ご対面ができ、しかも高野山はじまって以来初!!! と言う凄い瞬間の真っただ中☆

因に「秘仏」とは普段扉が閉まっていて人目に触れないけど、それでも十分なご利益を授けてくれるとってもパワフルな仏様の事を言うそうです。パワフルがゆえに、その力をずっと永遠に保ち続けて欲しいと言う願いも込めて外に触れさせないで「秘仏」として扱われているそう。
国内には数々の「秘仏」はあるけれど、1200年に一度きり公開の金堂の薬師如来は「秘仏中の秘仏」と言っても過言でないっ!

金堂の住職さま達。沢山のお話をありがとうございました。

最後に、今回の高野山滞在の最大のハイライトは宿坊!! ホテルではなく、高野山では宿坊に泊まるんですっ!!
お風呂もトイレも共同! 門限あり! 朝は6時半から御勤め! と、ほんの一瞬なれどお坊様の生活を垣間みれる貴重な体験グッド!

朝食は7時きっかりに出されます! もちろん精進料理。

女性の私でも軽いと思う朝食(笑)。
お坊様はよくこれで体力もつな~~。凄いなぁ~~。

今回、高野山へ実際に行ってみてイメージが全く違った事も驚き。
「世界遺産」なれどそこまで観光地化されてもいなく、パワースポットなれど「何何~のご利益がある」と大々的に主張している訳でもなく、ただただ平和と愛の祈りの場所として存在している事が身に染みてよく分かった。
日本の平和、世界の平和を日々祈り続ける壮大な聖地。そんな場所が日本に存在する事をちょっと誇らしくも思った。

仕事で限られた時間ではあったけど本当にまれにみる貴重な体験をさせて頂きました☆
この仕事の素晴らしい事は、未知の世界に触れる機会が多い事。時に、夢の様な非現実的な世界へ導いてくれる事。
そこで新たな発見があり、学びがあり、感動があり、その感動を今度は自分から他へ発信すると言う作業。無限大に広がる可能性・出会いをこれからも大切にしていきながら成長していきたい。
もっともっと未だ知られざる世界が、どんなストーリーが、自分を待っているのか今後も楽しみです。